「次の日記はバナナについて書いてよ」
梅雨明けの熱帯夜、マサオは言った。
「OK!んじゃ、最後は【そんなバナナ】で締めるわ」
僕は答えた。
マサオは、もうすぐ父になる。
彼が父になったら
僕は嬉しくて泣いてしまうかもしれない。
父になるマサオが何気なく出したバナナという、お題。
思い返してみると彼はバナナみたいな男だ。
時に、滑って転ぶという万国共通のギャグの小道具として使われ
時に、『バナナはおやつに入るんですか?』とネタにされ
誰からも愛される、そんなバナナ。